
旅の途中で出会う旅人たち
日本一周、日本縦断、二か月の休暇、今は亡き恋人の思い出を辿る旅・・・
それぞれの旅の目的があって、背負ってゆく荷物の量も種類も違って
服装も違って、希望も不安も何もかもが違って
「自転車の旅」と定義されて「日本一周」がトレンドになって
スタイルばかりが独り歩きして、行く人々の目には、いやわたしたち同じ旅人でさえもともすればお互いに定義付けてしまう、「チャリダー」だと、「バックパッカー」だと
でも話してみればむしろ同じ所の方が少ないのだ、自転車もキャリアもバッグも似ているように見えるけど、実はそれぞれが似て非なる装備で走っている
旅の途中
それは道の途中であり道は
旅のように簡単には終わってくれない
峠の坂を下りる
懐かしい我が家の玄関を思い出す
彼はもう少しで旅を終える
彼が「旅」と定義した旅を終わらせる
それが旅人してのけじめであるかのように
でも何も終わってはいないのだ
次の朝懐かしかったはずの玄関のドアを開けて、眩しい日差しを受ける
もうすでに始まっている
ぼくたちは走っていても休んでいてもいつもいつまでも
道の途中に居る
自分だけの旅をしている

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