2016年05月05日

自転車旅の費用について考える 宿泊代について 


わたしが今までの3回の夏の自転車旅に使った費用は以下であります。


2013年九州沖縄の旅
総日数44日 総走行距離:2,648キロ
旅の総費用:約25万円
一日平均:5681円(25万円÷44日)

2014年北陸への旅
総日数49日 総走行距離:約3520キロ 
旅の総費用:約25万2千円
内宿泊に掛かった費用:約2万5千円 フェリー代:1万円前後
一日平均:5142円(25万2千円÷49日)

2015年日本アルプスへの旅
総日数52日 総走行距離:約3560キロ 
旅の総費用:約22万3千円
内宿泊に掛かった費用:約2万2千円 フェリー代:5400円 
一日平均:4288円(22万3千円÷52日)


旅の総費用の計算方法は単純に、(帰還時の所持金+途中銀行から引き出した金額)−(出発時の所持金)です、ざっとした計算方法なので数千円の誤差はあるかもしれない。

2015年は前の2年に比べれば少し費用は少なくなっているが、宿泊に掛かった費用はあまり変わらないので食費や温泉代を節約できたのかも知れない。

でもどの年もそんなに変わったものではない。これから無期限の自転車の旅を計画しているわたしにとっては1日平均4000円〜5000円の旅の費用はあまりに高すぎると思う。だからその費用をいかにして減らすことができるかを3回の旅の経験を元にしながら考えてゆきたいと思う。それがこれから自転車の旅を志す方への参考になればなお嬉しいです。

まずは誰もが一番気になるであろう宿泊代について考えてみた。


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天気の宿泊代への影響について(極寒の季節と場所は除く)

天気の良い日は屋根がない場所にも難なくテントが張れるので東屋がない公園や道の駅にも泊まれるし、蚊が少ない場所ならベンチに寝袋でも泊まれる。だからお金出してキャンプ場やゲストハウスに泊まる必要がないのでその分節約できる。

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奈良県宇陀市大宇陀 道の駅宇陀路大宇陀でのベンチ泊

但し夜中や明け方の天気に不安があるときは気をつけなくてはなりません。夜中や明け方の突然の雨で荷物をテントのなかに入れたり、屋根がある場所に逃げ込んだりする急な作業は相当気が滅入ります。

東屋も小さい東屋は「でっかい傘」のようなものなので、横風があるとしぶいて強い雨だとかなり濡れます、まったく屋根がないよりはマシですが。

キャンプ場でも道の駅でもない所にテントを張って泊まることをわたしは「ゲリラ泊」と呼んでいます。ゲリラ泊については「宿泊代を減らす方法について」の項で後述します。

キャンプ場でも雨がしのげる施設がないとテント泊が快適とはいえないのだが、キャンプ場だとちゃんとお金を払って入場しているので明るい内にも堂々とテントが張れる、だから雨が降る前にテントを設営できる。すでに雨が降っている場合は雨がしのげる施設がないキャンプ場だと道の駅の方がまだ増しというケースは確かにある、実際にそんな日はあった。

しかしキャンプ場だと連日雨が続く場合でも翌日の宿泊代さえ払えばテントを張りっぱなしにできるメリットがある。テント設営で一番気が滅入るのはすでに雨で濡れた地面にテントを張ることと、張っている最中にびしょ濡れになることだ。設営し終わった後に雨が降るのはそれほど嫌でもない、だってそのためのテントでもあるから。

そしてキャンプ場は大抵炊事棟には屋根があるので材料さえ持っていれば雨中でも炊事食事はできる、そうやって雨宿りしながら時間を潰せる、大きな屋根つきの炊事棟内にテントを張れるケースもあるので、そうなれば雨の日もかなり快適に過ごせる。

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長野県中野市大字片塩 北信濃ふるさとの森文化公園の炊事棟のなかにテントを張る

だからわたしは天気予報を見て雨の兆しがあればキャンプ場を探すようにしていた。天気とキャンプ場は大いに関係性がある、だから天気は宿泊代に大きく影響を与えると思う。


季節の宿泊代への影響について

先の題目に(極寒の季節と場所は除く)と書いた通り、冬の野宿は夏の野宿に比べれば相当困難であると想像できる。想像できると曖昧に書いたのは、わたしは夏の旅しか経験したことがないので冬の旅については想像で書くことしかできない。

しかし季節の問題は場所と大きく関係してくるので一概には語れないと思う。夏ならば北海道を旅する場合と沖縄とでも旅の装備も心構えも大きくは変わらない、衣服2〜3枚くらいの荷物の差があるくらいだ。

だが冬となると北と南では大きく変わってくる。そもそも東北より北の地域で真冬に自転車の旅ができるかどうかが疑問だ。道が雪で埋もっていては自転車で走行することは不可能だから、走行できなければ自転車の旅とはいえない。だから冬場に日常的に雪が降るような地域では「自転車で走る」という本質的な自転車の旅は不可能であると思うし、無理やり雪のなかを押して進むような旅は楽しくないからわたしはしたくない(笑)。

だからあくまで日常的に雪が降らない地域での考察にはなるが、しかしこれは宿泊代という費用の問題ではなく「装備」の問題になると思う。防寒対策は走行中も就寝時とも頭から足先まで必要になるのでかなり装備は増えるが、装備さえ整えれば野宿は可能だと思うので宿泊代にはあまり影響しないかもしれない。寒い日は旅館で熱燗を一杯、なんて発想は自転車旅の趣旨とは離れていると思うので。


宿泊代を減らす方法について

天気やら季節やら人間の力ではどうしようもないことばかり論じてきたが、要はどうやったら宿泊代を減らすことができるか、これが分からなければ論ずる意味がないのだ、ではどうするか。

2015年の旅では宿泊に掛かった費用は2万2千円。

それを総旅日数52日で割ると(2万2千円÷52日)1日423円。

有料のキャンプ場に泊まったのは28日だから28日で割ると(2万2千円÷28日)1泊785円。

道の駅やら公園やら無料で泊まった日数は24日。

2015日本アルプス漫遊の旅 旅の記録より
http://charida.seesaa.net/article/424645366.html

さあこの数字をどう見るか、ですが・・・。わたしも昨年の旅ではできるだけ宿泊代は安く上げようと努力はしたつもりです。ゲストハウスには一回も泊まっていません。

1000円クラスのキャンプ場を高いとみるか適正とみるか、しかしこれは旅のルート上に500円クラスの安いキャンプ場があれば良いのですが内地だと500円クラスの安いキャンプ場はあまりない、あればラッキーなのです。そして自転車なのでそこに暗くなる前にたどり着けるかどうかも計算しなければいけない。

道の駅もなく、1000円クラスのキャンプ場しかない場合はどこかにゲリラ野宿するという手もありますが、たとえば大きな橋の下のような場所があればねらい目ではあります、実際に新潟の上越市の橋の下で泊まったことはあります。かなり風が吹き抜けてテントを揺らされましたが。

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新潟県上越市の橋の下

ゲリラ野宿するにはとにかく「目立たない」ってことが重要で、特に往来の多い道路からモロ見えるような場所にテントを張ったりすると確実に通報されます。田舎でも大概の所は私有地になるので、田舎の田園地帯のような所はむしろ目立ちやすくて難しいです。そして雨の日と、そのときは晴れていても夜中明け方の天気に不安がある日はゲリラ野宿の難易度は更にハネ上がります。

ゲリラ野宿しやすいところは、橋の下、砂浜の海岸、周りに民家がなく道路からも離れている公園や東屋、つまり公用地です。道の駅は半分公用地なので泊まりやすいんです。でも公用地でも目立つとだめなのです、だから「目立たない公用地」があればいいのですがそれは実際に行って見て探さなければ分かりません。

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福井県丹生郡越前町厨 小さい公園のあずま屋 

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高知県室戸市室戸岬町 太平洋を望む公園

晴れの日で且つ翌日の天気が確実に晴れならば屋根がない場所でも「ベンチ泊」することが可能ですが、蚊が少ないことが条件になります。「やぶ蚊の巣」のような場所ではいくら蚊取り線香を焚いても焼け石に水なのでテントなしではとても寝られたものではない。

一日中走ってクタクタになっている時に野宿できそうなラッキーな場所を探す気力があるかどうか、そう「根性」の問題です、精神論です。1000円のキャンプ場が高いか安いかを判断して泊まるか泊まらないかを決めるのは、もう精神論でしかない。クタクタになっている時は1000円のキャンプ場でもあればラッキーと思ってしまうのが人情です。

わたしのブログだからわたしの経験に基づいて結論を出そう。

テントと炊事道具を積んで走るキャンプツーリングであれば、一日平均423円の宿泊代でけっこう楽しくチャリ旅ができる。

しかし423円でもそれが1年365日になれば15万4千395円になる。それが高いと感じるならば究極は一年365日を0円の宿泊代にすることも理論上では可能、でもそれを実現するためには「心の強さ」が必要だ。

実際にそんな旅をしている青年に会ったことがあります、全国で防犯登録をして回っている奇妙な青年ではありましたが常宿は橋の下、主食は食パン、ちなみにママチャリでした、相当心の強い青年でした。

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富山の五箇山で会った超心の強い青年

最終〜結論を出します。

いかに宿泊代を安くするかは「心の強さ」が重要なポイントになります


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posted by チャリダー詩人 at 15:38| Comment(0) | チャリ旅の費用について考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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