北海道を旅した頃はまだ・・・
4年前に北海道をロードバイクで旅したときはテントは持ってなかったので、ほとんどをライダーハウス(ゲストハウス)で寝泊まりした。
夏の旅シーズン中であるのでバイカーが多かった。若者からおじさんまで、ワイルドっぽい人から気難しそうな人までさまざまな人が広い座敷で一緒に酒を飲み、さわぎ、賑やかな夜を過ごす。
そんな賑やかな日が場所を変えても多かった、それくらい夏の北海道のライダーハウスはどこもバイカーで賑わう。夏の北海道はバイカー、チャリダーのメッカといってもいい。
その賑わいが楽しいと思えた日と、なんか疲れると思えた日があった。もともとわたしは人見知りする方ではないが過剰に気を使ってしまう性質でもある。だから盛り上がってるときはさほど楽しいと思わなくとも笑顔をつくったりしていた。

このときわたしはまだ旅の初心者でした、ゲストハウスというシステムも良く知らずキャンプ場に泊まるすべも知らず、テントもガスバーナーも持っておらずキャンプツーリングという概念すら持ち合わせていなかった。
そうわたしはこの頃はまだ自分で旅をしておらず旅に自分を動かされていた。自転車旅の経験が少なかったから、旅の知識が少なかったから、限られた旅の選択肢を選ばされていた、まだわたしは「自分はどんな旅をしたいか」を知らなかったのだ。
キャンプツーリングで見つけたもの
この翌年はテントも炊事道具もキャンプ場に泊まれる装備をすべて積み込んだキャンプツーリングで九州沖縄を旅した。道の駅やキャンプ場や公園で一人で野宿した。
誰もいない海辺の公園で暗くなってゆく海をじっと眺めていたときに感じた孤独感、あの孤独感は確かに「自分」が感じた孤独感だった。
この旅のなかでわたしは孤独を楽しんでいる自分を見つけた、そしてわたしが選ぶわたしの旅の仕方をそれから少しずつ覚えていった、キャンプツーリングを通じてわたしは今まで知らなかった自分の一部を発見することができたのだ。
「自分探しの旅」というテーマは使い古されたベタなフレーズのようだが、しかし旅のなかで「或る自分の姿」を見つけることは確かにある、それを見つけることで旅が誰かのものではなく自分だけのオリジナルのものになるのだ。
だから恥ずかしがることはない、堂々と言えばいいのだ、「自分探しの旅をしている」と。


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