与論島百合ケ浜にて
水は涙のように澄んでいた
だからぼくは潜って 精一杯泣くことができた
水のなかには沈黙がゆれていた
その果てしない草原をぼくは走った
遠くの暗闇に
誰かの足跡が光っているのが見えた
沈黙が泡となって消えた
消えたその軌跡にそって見えない船が
リーフの向こうに消えていった
やがて沖の砂浜が沈んだ
波も光も見えなくなった
そしてすべてが沈んだときに
赤い陽が砂浜をそめた


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