2016年10月27日

旅の効能 時計のない部屋



わたしの今の帯広の借家には時計がない

なぜないかというと単に買うのをケチっているだけだったのだが

この時計のない生活に慣れてしまうと、もう必要がないどころか邪魔なものとして思えてくるのだ

見ようと思えば時刻はいつでもスマホやタブレットで確認できるのであるが、壁掛け時計や置き時計があるとないでは時間に関心を向ける頻度が大きく変わってくるのだ

わたしも以前仕事をして普通に生活した頃は家の各部屋に大きな時計を壁に掛けていた

家のどこにいてもいつでも時刻を確認できるようにしていた、そうでないと安心できなかった

その頃の時計をチラ見する回数を数えたとすれば、恐らくは一日何百という回数になっていただろう

でもその頃から、そんな時間に囚われている自分を変えたいと思っていたのである、が一度囚われてしまうと逃れるのは難しいのだ

時計を外す勇気が出ないのだ、時計を外すと大事な約束事をすっぽかしてしまうのではないか、とか大事な用事を遅らせてしまうのではないか、との不安にかられてしまうのだ


でも今は時計のない部屋にいて、大事な約束をすっぽかしたりすることなく、必要な用事を遅らせたりすることなく、普通に過ごしている

スマホの時刻を確認する回数も1時間に1回くらいだろう、もちろん大事な用事の前には増えるのであるが、それでもかつて壁掛け時計をチラ見していた回数に比べれば何十分の一である


それだけわたしは今、時間から解放されたのだ

完全に解放された訳ではないけど、少なくとも「意図せずして時間に目を奪われる」ことはなくなったのである


これも旅の効能であろう、なぜならばチャリ旅という時刻表のない旅で時間への観念が薄まったまま

突然住むことになった借家で、わざわざ時計を買う必要に迫られなかったことが、この「時間を忘れた部屋」を獲得できたおかげであるのだから


かつてのわたしのように「時間をチラ見病」に罹っている人は

勇気をもって時計を外してみましょう、時間を忘れた部屋の朝はわたしだけの朝です



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posted by チャリダー詩人 at 10:07| Comment(0) | チャリエッセー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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