2016年05月10日

沿岸を縁取る旅ではなく


自転車の旅人が増えている

年々自転車旅をする人は増えている気がする、実際に車で走っていてもよく見かけるようになった。

それを一番感じるのは自分が旅しているとき、黄色い目立つバッグを4個もこれまた目立つ赤い自転車に乗せて、キノコみたいなヘルメットを被って走っていても誰も奇異な目で見なくなった。これは同じような旅人を皆が見慣れてきたせいだと思う。

自転車の旅人が増えたのは自転車ブームの影響が一番大きいだろう、かくゆうわたしもその自転車ブームで自転車にハマって抜けられなくなってしまった一人だ。

その自転車旅の目標として最もポピュラーなのが「日本一周」だ。目標というよりタイトルというべきだろうか、ミッションというべきだろうか、旗印というべきだろうか、とにかくこの日本一周という言葉を掲げて旅している人は多い。

一周の旅という概念

普段のサイクリングでも、或いは旅の途中の「挑戦」(例えば半島や島の一周)でも一周という目標を掲げることはよくある。サイクリングでもドライブでも同じ道を戻るというのは退屈なものである、だから同じ道を通らないように一周する道を選ぶ。そしてもう一つは外周を走り尽くすことでそのターゲットを網羅したかのような気分になれるから、これは大いなる錯覚なのだが。

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京丹後の半島にて この半島からの海の眺めは最高だった

例えば琵琶湖一周という目標を達成するには沿岸に一番近くて走行可能な道を走るしかないのだが、半島や島の場合は内陸も走ることができる、小さな半島や島なら内奥は険しい山しかなかったりして事実上は走行不可能であったりするのだが、これが佐渡島や沖縄奄美群島くらいになれば内陸部にいくらでもサイクリングスポットはある。

これが四国や九州のように小さな大陸クラスの島になればむしろ内奥の方が風光明媚なサイクリングスポットは多いのである、だって沿岸部から見えるのは海でしかないのだから、もちろんその海の景色が美しい場所はたくさんあるのだが。

純粋に楽しむ旅のために

例えば紀伊半島は外周だけを走っても面白くもなんともない、内奥には天川村や十津川村などの秘境地に開ける集落、山間を雄大に流れる熊野川、切り立った岩の間に吸い込まれるような壮観な渓谷瀞峡(どろきょう)などありサイクリングスポットの宝庫である。

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奈良県 瀞峡の壮観な景色

一周という旅が単に外周を走る旅ならばそれは「大いなる省略」の旅である。旅には色んな制約があって、それはお金であったり時間であったり体力であったりするが、その制約のなかでする旅なのだからすべてを網羅するわけにはいかない、でも旅を記念碑的なものではなく純粋に楽しむための旅にしたいなら、沿岸を縁取るような旅ではなく、本当に行きたいと思う場所を決めてそこへ向かって突き進んでゆくべきなのだ。


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posted by チャリダー詩人 at 22:08| Comment(0) | チャリエッセー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月09日

自分さがしの旅というテーマ


北海道を旅した頃はまだ・・・

4年前に北海道をロードバイクで旅したときはテントは持ってなかったので、ほとんどをライダーハウス(ゲストハウス)で寝泊まりした。

夏の旅シーズン中であるのでバイカーが多かった。若者からおじさんまで、ワイルドっぽい人から気難しそうな人までさまざまな人が広い座敷で一緒に酒を飲み、さわぎ、賑やかな夜を過ごす。

そんな賑やかな日が場所を変えても多かった、それくらい夏の北海道のライダーハウスはどこもバイカーで賑わう。夏の北海道はバイカー、チャリダーのメッカといってもいい。

その賑わいが楽しいと思えた日と、なんか疲れると思えた日があった。もともとわたしは人見知りする方ではないが過剰に気を使ってしまう性質でもある。だから盛り上がってるときはさほど楽しいと思わなくとも笑顔をつくったりしていた。

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このときわたしはまだ旅の初心者でした、ゲストハウスというシステムも良く知らずキャンプ場に泊まるすべも知らず、テントもガスバーナーも持っておらずキャンプツーリングという概念すら持ち合わせていなかった。

そうわたしはこの頃はまだ自分で旅をしておらず旅に自分を動かされていた。自転車旅の経験が少なかったから、旅の知識が少なかったから、限られた旅の選択肢を選ばされていた、まだわたしは「自分はどんな旅をしたいか」を知らなかったのだ。

キャンプツーリングで見つけたもの

この翌年はテントも炊事道具もキャンプ場に泊まれる装備をすべて積み込んだキャンプツーリングで九州沖縄を旅した。道の駅やキャンプ場や公園で一人で野宿した。

誰もいない海辺の公園で暗くなってゆく海をじっと眺めていたときに感じた孤独感、あの孤独感は確かに「自分」が感じた孤独感だった。

この旅のなかでわたしは孤独を楽しんでいる自分を見つけた、そしてわたしが選ぶわたしの旅の仕方をそれから少しずつ覚えていった、キャンプツーリングを通じてわたしは今まで知らなかった自分の一部を発見することができたのだ。

「自分探しの旅」というテーマは使い古されたベタなフレーズのようだが、しかし旅のなかで「或る自分の姿」を見つけることは確かにある、それを見つけることで旅が誰かのものではなく自分だけのオリジナルのものになるのだ。

だから恥ずかしがることはない、堂々と言えばいいのだ、「自分探しの旅をしている」と。


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posted by チャリダー詩人 at 18:27| Comment(0) | チャリエッセー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする