2019年07月24日

旅のつぶやき いつかのバーベキューハウスで



いつかの誰もいないキャンプ場の夜に

バーベキューハウスで佇んでいたわたしは

激しい孤独感に襲われた

何ともいえない虚しさが胸に込み上げてきた

なぜだかは分からないが

ここにいることが無意味に感じられ

もう旅をやめて帰ろうかと思った


そしてもう寝ようとテントに戻ったのだが

すると嘘のように孤独感が消えて

何かホッとするような安心感に変わった


テントは不思議な空間だ

そこにはわたし以外の誰も入る余地がなくて

ジーッパーを閉めれば視界には

白い布の壁と、雑多に置かれた道具しか入らなくなる

いかにも虚しい風景なのだが

なぜか安心してしまう


見え過ぎるもの

聞こえ過ぎる音

それらを遮ったわたしだけの空間が

考え過ぎるものも消し去って

安心させてくれるのかも知れない



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電子書籍第二作「詩集 チャリリックポエジー」出版しました!自転車の旅とサイクリングの途中で、ふと浮かんだフレーズがそのまま詩となったものを集めました、読んで頂けましたら嬉しいです!



前作の自叙伝「チャリダー白書:終わりのない旅を求めて」もよろしくお願いいたします!


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posted by チャリダー詩人 at 14:24| Comment(0) | 旅のつぶやき 2019 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月23日

旅のつぶやき 旅のバランス



旅の前に想い浮かべるのは

テントの前にミニテーブルを置いて

海や林や湖や、見える景色を眺めながらのんびり酒を飲んでいる

といった情景だ


決してどこかの名所の、美しい景色を眺めている自分ではない


今まで色んな名所に行った

自転車で行ける場所、歩いてしか行けない場所


自転車で行き着いた先の峠や、丘や岬の景色は

上り詰めた達成感と安堵感が相まって印象的に

いつまでも記憶のなかに残り続けるが

自転車を下りてから、何十分もかけて歩いてたどり着いて見た景色は

それほど鮮明に思い出されない


なぜだろう


いわゆる観光名所には、何か"引きずられて行った感”がある

せっかくここまで来たのだから

とか

みんなに自慢したい

とか


本当に行きたい名所もあったから一概にはいえないが

大抵はそんな気持ちが少しあったように思う


後になって思えば、行っておいて良かったな

なんて思ったりするのだが

現に行く前のその瞬間には、何か面倒くさいような

変な義務感に背中を押されるような感覚があったのは確かだ


走っていていつも思うのは

「早くキャンプ場に着きたい」

ってことだ


早く着いて荷物を下ろして

着替えてビールを飲んで、ゆっくり休みたい

なんて強く思ったりする


道中に名所があったりすると

ラッキーであるはずなのだが、心の奥で

「面倒くさい」

と囁く声を感じる

それより早く目的地に着きたい、と心がはやる


こんなことをいえば

それなら旅なんて最初からせずに、家でのんびり過ごしてればいいじゃん

なんて誰かに突っ込まれそうだが


そこはバランスなのだ


路傍の景色を楽しみながら走るのは楽しい

たまに名所を巡るのもいい

美味いものを食うために遠回りするのもいい


その色んな楽しみのなかでも、わたしにとっては

テントに座ってゆっくり酒を飲む時間

これが他の楽しみと同じか、それ以上の比率で

わたしの旅を構成しているだけだ


人それぞれに、それぞれ旅の仕方がある

旅のバランスがある

本当に自分がしたい旅を

心の奥ではみな知っている


旅のバランスをとれるのは自分だけだ

自分だけの旅なのだから



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※この旅のつぶやきシリーズは纏まれば本にしたいと思ってます。





電子書籍第二作「詩集 チャリリックポエジー」出版しました!自転車の旅とサイクリングの途中で、ふと浮かんだフレーズがそのまま詩となったものを集めました、読んで頂けましたら嬉しいです!



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posted by チャリダー詩人 at 14:21| Comment(0) | 旅のつぶやき 2019 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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